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北九州市立大学

RKB毎日放送株式会社勤務
法学部
法律学科
【2017年3月卒業】
金城 らんなさん
【福岡県立城南高等学校出身】
  • 学生時代の思い出や学んだことで
    現在のお仕事に役に立っていることは?
     大学では法学部で刑法を中心に学んでいました。一見すると今の仕事とは無関係に見えるかもしれませんが、物事を多角的に捉え、論点ごとに仮定を積み重ねて筋道を立てていく思考法は、今も非常に役立っています。たとえば、新しい技術や事業を検討するときに、「このケースではどうなるか?」「社会的?倫理的には?」「制度上の壁は?」といった複数の射程で仮定を立て、想定外に備える姿勢は、まさにゼミの議論を進める中で得たものです。AIやメタバースといった技術領域では、まだ法的にも倫理的にも整備が追いついていないことも多いので、そうした分野においてこそ、法律を学んだことが活きていると実感しています。また、生協のPC講座での活動では、人に教えることの難しさや楽しさを学び、今の仕事でも「技術をどう噛み砕いて伝えるか」という視点に活かされています。
     学生時代の一番思い出に残っていることは、ゼミ活動です。学部の先輩方からは厳しいと有名な先生のもとで刑法を学んでいましたが、先生の人柄やゼミの仲間たちに恵まれて、とても充実した時間を過ごせました。今も年に一度は集まっています。成績は決してよくなかったけれど、ゼミにはしっかり参加して、議論にも加わっていました。生協のPC講座では、バイトとしても活動していて、サークルのような雰囲気の中で仲間と楽しく学べたことも大切な思い出です。近所のラーメン屋さんと仲良くなって、ご飯をよくごちそうになったことも、いま思えば大切な「大学生活の一部」です。北九州は修羅の街と揶揄されることもありますが、とても人情にあふれた町で、メンタルが弱った時も町の人たちに救われました。
  • 現在のお仕事を選択されたきっかけは?
     正直なところ、大学時代はテレビも持っていないし、ラジオも聴いたことがないという生活をしていて、放送業界に強い興味があったわけではありませんでした。どちらかというと就職活動ではIT業界を中心に見ていて、「時代の主役はこっち!」と思っていたくらいです。そんな中で、今の会社が“放送局なのにIT人材を広く募集している”ことを知り、驚きました。理系限定でもなく、文系にも門戸が開かれていたことで、「業界として変わろうとしているんだ」という前向きな空気を感じたのが、入社のきっかけです。今までの常識を打ち破るようなチャレンジが始まっているタイミングで、自分のスキルや好奇心が活かせる場所がここかもしれない。そんな“変わる瞬間に立ち会える期待感”が、今の会社に入社しようと強く思った理由でした。
  • 現在の職業についての内容や
    やりがいを感じるところは?
     主に番組制作?新規事業開発?技術開発に携わり、民間の放送局で、番組制作の技術補佐や、新しい事業開発のサポートをしています。現在は、深夜に放送されている「エンタテ!区~テレビが知らないe世界~」という『テクノロジー×バラエティ』をテーマにした番組を担当していて、AIやメタバース、VTuber、ロボティクスなどの様々な技術を活用した新しい番組のつくり方を模索しています。また、独学でプログラミングや3Dモデリングを学び、UnityやUnreal Engineといったゲームエンジンを活用して、番組演出や関連事業にも応用しています。社内でもこの分野に明るい社員は少なく、自分にしかできない仕事も多いです。
     私が携わっている仕事は、既存のやり方や枠組みがほとんどない、新しいプロジェクトの立ち上げや番組の制作が中心です。「これが正解」というやり方がまだ存在しない中で、自分で仮説を立て、試しながら道を切り開いていく必要があります。うまく形になったときにクライアントやプロジェクトに関わる他のメンバーから感謝されたり、自分の技術的なアウトプットが形になって評価されることは、大きなやりがいになっています。とくに、社内に同じ領域を専門にしている人がいないので、「自分にしかできない仕事」で貢献できているという実感がモチベーションになっています。一方で、新規事業とはいえ会社としてきちんと利益を出す責任もあるので、「技術がすごいだけでは成立しない」というプレッシャーも常にあります。技術とビジネス、どちらも成立させる難しさと向き合いながら仕事をしています。
  • これからの将来について
    目標や目指していることは?
     これまでラジオからテレビへと主要メディアが変化してきたように、次は「新しい技術」が会社の屋台骨を支える時代が来ると感じています。私自身、社内では唯一の技術者としてこの分野に取り組んでいますが、正直に言えば、まだこの分野の“技術力”が社内に十分あるとは言えません。だからこそ、私がその一歩目になりたいと思っています。本格的なエンジニアと比べると、技術力では及ばない部分もありますが、その代わり、技術者とその技術を活用したい人のあいだに立ち、橋渡しをすることは私の得意分野です。専門用語が飛び交う中で、「それってつまりどういうこと?」を翻訳して、アイデアを形に変える。そういう“技術と現場の通訳”のような存在として、これからも技術を社会につなげていける人になりたいと思っています。
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