2024年12月18日(水)、北九大文化資源調査隊主催による2024年度の文化振興イベントとして、「九州浪曲史の可能性」を開催しました。今回は、北九州大衆文化史研究会、九州浪曲史研究会(学長選考型研究費A「九州浪曲史記述の可能性―北九州から照射する大衆文化の流通と受容」)との共催でした。
本年度より、開催テーマをより広げて、地域の文化資源をより広い視野で再発見していくという主旨のもと、浪曲という語り芸の実演を含んだイベントを開催しました。浪曲とは、明治末期に爆発的に流行し、1960年代の初頭まではラジオでも盛んに放送された大衆娯楽です。登壇していただいたのは、浪曲師?五月一秀さん、曲師(三味線奏者)?沢村さくらさんでした。五月一秀さんは、北九州にゆかりの深い方で、唯一の九州在住の浪曲師です。
最初に企画者である真鍋昌賢(本学比較文化学科)から開催主旨とこれまであまり顧みられなかった九州における浪曲の流通?受容についての入門的なレクチャーがあり、次に「浪曲教室」と題して一秀さん?さくらさんによる浪曲の声?三味線の魅力についての説明がおこなわれました。その後「無法松の一生」で知られる演目「富島松五郎伝」の口演をお願いしました。来場者一同口演の迫力、三味線の音色の美しさに熱心に聴き入りました。最後にはアフタートークとして、一秀さんから幼少期?青年期の浪曲にまつわる思い出をうかがうことができました。父親の影響もあり、ラジオや興行で浪曲に日常的に楽しんでいたというエピソードは、九州での浪曲受容のあり方がうかがえる貴重な証言でした。




撮影者:那和涼平(法学部学生)















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